ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

ネットリテラシーがあまりにも低いとさすがに危ないよって話

俺はあざなわさんのブログのファンだ。
あざなえるなわのごとし

自分のブログで少し前「はてなには頭のいい人が多い」と書いたが、それは誰かと問われれば筆頭にこの人を挙げるだろう。
全ての記事を過去に遡って読んだわけでは無いがおそらく8割がたは読んだと思う。
はてなブログを初めた11月からはほぼ全部の記事を読んでいる。
読者登録してるしな。
毎度ブログを読んだ後にはやっぱりこの人すげえなぁという感想を抱く。
ここまで自分と違いすぎると嫉妬などは抱かない。憧れに近い感情だ。

博識だしありとあらゆるジャンルにイッチョ噛みしていく。それもインスタントな付け焼刃的知識ではない。どんだけ見識が広いんだよと毎回感嘆させられる。
幅広い知識を披露したかと思えば時に舌鋒鋭く切り込んだりもする。
批判する時は批判するがそこにはある種の優しさもちらほら見え隠れする。
一見攻撃的にも見える文章だが完全に対象の息の根を止めるようなことはしない。
これは想像になるがあえてあざなわさんは逃げ道を残して攻めている。
彼の実力なら退路を塞いでこてんぱんに叩きのめすことも可能だろうがそれをしない。
端的に言うと中の人はいい人なんだと思う。


そんなだからいつも記事を読むと感心させられて納得してしまうのだが珍しくこの記事だけは少し引っかかった。
ネットでウソをまき散らすなら責任を持て - あざなえるなわのごとし

簡単に説明すると嘘をどこまで許容するかということについて書かれている。
あざなわさんは真実と誤認させるようなフィクションは事前にそれとわかるように明記するのがマナーであるというご意見らしい。
ブログには様々な階層の読者が訪れることを前提とすれば嘘を見抜くことの出来ない層も一定数存在するのだからそこまで想定することが正しいだろうと書かれている。

もちろん俺も概ね同意だ。
あざなわさんは徹底して読者の権利を守る立場で意見している。
読者のリテラシーが低くても誤認しないように最低限の表示は必須だろうとのことだ。

誤解を恐れず言うとあざなわさんは読者に対して極めて過保護だ。
就活自殺、内定のため命まで投げ出す大学生 - 就活ニュース:デジタル版←当該記事

当該サイトが巧妙に偽装された詐欺サイトならいざ知らず、一見してネタサイトだと看破できて当然だろという感想を俺は持った。
ソースどころか記者の名前さえ無い。こんなものが正式なニュースに見えるわけがない。

あざなわさんはこのサイトの作りではネットリテラシーの低い層ではダマされる可能性があるとして危惧されているがさすがにそれは閾値が低すぎる気がする。
この程度で騙されてしまう人間はそれこそ街角でアホらしい絵画をローンを組んで買わされてしまう人種だろう。

もちろんこの程度のレベルで引っかかってしまう人達は確実に存在する。
そもそもネットは虚実入り混じった空間だ。
嘘の情報はイヤになるほど出回ってるし真実なんて本当は無いんじゃないかと疑いたくなるほどだ。
そういう空間なんだという自覚が無い人はネットに向いていない。
ネットに接続する以上自己責任は常に付いて回る。
実生活においても無知な、お人好しは得てして人に騙される。
人を疑わない無垢な心を利用されて騙されたり傷ついたりする。そうやって人は成長する。

ネットだからといってそれは変わらない。
Twitterなどをやってるとリテラシーの低さをヒシヒシと実感することがある。
ソース元の確認すらせずにリツイートしてデマを拡散する光景は枚挙に暇がない。
そういう人間はいつか痛い目にあって学習するしかない。
啓蒙だけでは限界がある。痛みを伴わなければ学ばない層は確実に存在する。
自分を守るのは自分しかいないということを自覚していないから失敗の原因を他に求める。
一定のリテラシーを持っていればネタであることを看破できるにも関わらず、無知であるがゆえに引っかかった自分の非を説明不足が原因であるとしていたらリテラシーは育たない。
ブログの書き手にモラルを求めるのと同様に読者側にもリテラシーを求めることは決しておかしなことではないと思う。

当該記事を読んですんなり事実だと誤認してしまった人はブログの書き手に対して創作である旨の未記載を糾弾する権利を有するが、同時に自分のリテラシーの低さに危機感を感じなければならない。


誤解を招かぬように説明するが俺は当該記事を容認していないし擁護もしない。
誤認を誘うような書き方は決して褒められることでは無い。
あざなわさんと同じく文中にフィクションである旨を表示するべきだったと思うし、仮に俺が同様のネタを自分のブログに書くとしたならば絶対にフィクションであると明記する。

俺が言いたいのはあのレベルですっかり騙されてしまう人はあまりに危険だということだ。
ネットには貴方の個人情報や財産を虎視眈々と狙っている輩が存在している。
当該ブログを不親切であると糾弾するのは自由だがその前に自分のリテラシーの低さを自覚して自己防衛しないといつの日か大きな痛手を負うかも知れない。
そういう危うさを感じたので苦言を呈させていただいた。
ついでに言うと当該記事を嘘だと見抜いていたリテラシーの高い人は今回の記事の対象外なのでご理解ください。

ネット・リテラシー (法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書)

ネット・リテラシー (法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書)