禁煙成功が見えてきた話　（禁煙10日目）

禁煙10日目。
一つの山が3日目だったとするともう一つの山は7日目にあった。

一週間を超えてくるとタバコを吸いたいと思う気持ちは当初に比べて激減する。
禁煙当初は常にタバコを意識しているけれど一週間もするとタバコを忘れている時間が増える。
そういう意味では楽になるのだがタバコを吸っていたシチュエーションに出くわすと身体が確実に反応する。

朝起きた直後。
食事の後。
体を動かした後（スポーツ等）
コーヒーを飲んでいる時
アルコール類を飲んでいる時
風呂あがり
寝る前

いままで自分がどのタイミングでタバコを吸っていたかが良く分かる。
上記の中でも食事の後が一番つらい。
今までなら昼休みの間、食事の済んだ後は時間の許す限りタバコを吸い続けていた。
昼休み中は紛れも無くチェーンスモーカーだった。
だから食事後の満腹感が持続している間はずっとタバコのことばかり考えることになる。
禁煙生活の中でずば抜けてつらい。

禁煙には副作用がある。
理由は分からないがとにかく腹が減る。
食欲がモリモリ湧いてくるのだ。
口が寂しいとは別にとにかく腹が減る。
食事の量もとにかく増える。
今までは多少腹が減ってもタバコを吸うことでそれを紛らわせていたのではなかろうかと思うのだがそれは定かではない。

先に書いたが食事後のタバコ欲がつらいので、できれば食べたくないのだが「成長期かよ」と思わず突っ込みたくなるほどの食欲でとても抗うことができない。

30を超えた頃から急激に食が細くなって昼を抜いしまうことも多々あった。
夕飯もそれほど量を食べなくなったし、そもそも休みの日ならば食事が一回のみなんてこともざらにあった。
そういえば常にタバコは傍らにあったなぁと思い出す。
やはり食欲はタバコによって相当に押さえ込まれていたのだろうと思う。
禁煙がこのまま成功するのは嬉しいが食欲がこのまま増進するならば間違いなく太る。

タバコをやめると太るという話はよく聞いていたがなるほどこれは太りますな。
コッチの対策も考えないとまずいということはよく理解した。
タバコの害が無くなったとしてもこのままではメタボまっしぐらで他の成人病を引き寄せかねない。
（あぁ面倒くさい。禁煙に続けてダイエットかよ……）

禁煙を始める前に恐れていた禁断症状は予想よりは軽かった。
とても我慢できないほどの苦しみが襲って来るのだろうと覚悟していたわけだが案外チョロかった。
過去形のように書いてしまっているが間違いなく禁煙は成功すると思う。
確かに度々吸いたくなるがそれを押さえつけることはそれほど難しくない。

禁煙外来があるくらいなんだからなんの力も借りずに原始的な【気合と根性】だけで乗り切るのは相当の覚悟がいるはずだと、なかなかキッカケが掴めなかったがいざ始めてしまえばなんのことは無かった。
もちろん個人差は大きいのだろう。

俺は20年以上の喫煙歴だったから相当つらいと覚悟していた。
一日あたりの喫煙本数は一箱半。つまり30本ほどだ。
それだけの期間、これだけの本数を毎日吸ってきたわけだから凄まじい禁断症状との戦いになるのだろうと思ったが案外楽勝だったと言ってもいい。
むしろこんなに楽に禁煙できるならもっと前に始めれば良かったと後悔すらしている。

あまりに楽勝などと書いているから勘違いされるかもしれないがもちろんつらい。
つらいのだが生粋のドM精神が功を奏しているらしく我慢そのものが気持ちイイ。
それでも口が寂しいのでガムを噛んでいる。