ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

電子書籍だと読書に集中できない自分を恨む

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電子書籍がいまだに苦手だ。

私は子供の頃から新しいもの好きで、特に家電製品やガジェット関係に目がなく、それが高じてついに電器屋に就職してしまったくらいだ。(すでに転職済み)


電器屋勤務時代だった2000年前後は各社から電子書籍の端末が発売されたりして、ちょっとしたブームみたいなものがあった。(無理やり流行らそうとしてる感もあった)
各社がかなり力を入れた売り物だったから勉強会に出席したり実際に手に取って使ってみたりした。
便利だなという感覚はもちろんあったのだが、同時にうまく言葉にできない違和感もこの頃から感じていた。

松下やシャープ、SONYなんかの大手家電メーカーがこぞって参入したわけだが、この小さなブームはおそらく利益を各社に還元する前に終わってしまった。


その後大きな動きはなかったのだが、2012年くらいからAmazonがKindleを発売したことで一気に電子書籍を利用するユーザーが増えた。
それは端末の性能が上がって使い勝手が向上したり、ネット環境も10年前に比べて相当に普及したことや、なにより「デジタルデータ」という目に見えないモノにお金を払うという感覚にある程度皆が慣れてきた頃合いだったような気がする。

要は電子書籍が受け入れられる下地ができていたということなんだろうと思う。


Kindleが出始めた時も、当初は昔がそうだったように定着せず一時的なブームで終わるだろう、みたいな言説も見られた。国内メーカーがことごとく失敗した苦い記憶を忘却できるほど昔話にはなっていなかったからだ。
とはいえ現在に続くまで着実に市場が成長しているのを見ると、電子書籍はきちんと受け入れられたのだと感じる。






昔に比べて本を読む数は減ったけれど、それでもじわじわと紙の本は私の狭い部屋を圧迫している。
読み返すことなど殆ど無いくせに、手放すのがあまり好きではないので、ドンドンと本が溜まってしまうから、二年ほど前に未練を断ち切るように一気に処分した。
段ボールで10箱程度の本を一気に処分したわけだが、そこからまたジワジワと増えている。
このままだと同じことを繰り返すので、これから先は電子書籍にしようと考えた。


まず最初にお試しということで手元にあったNexus7にKindleアプリを入れて、無料で読める本を何冊かダウンロードして読んでみた。
う~ん……。どうしてもしっくりこない。

画面が小さいとか目が疲れるとかそういう理由ではなくて、単純に「読書」という行為に集中できないのだ。


文字の大きさや端末の重さ等が気になっているわけでもない。
とにかく紙の本と全く同じ内容が書かれていて、同じように読めるのに内容が頭に上手く入ってこない。

自分でもはっきりとした原因がわからない。
紙の本であれば2時間でも3時間でも没頭できるのに、タブレットだとよくて20分程度で集中が切れる。


読書をしていると時間経過がわからなくなって、気がついたら朝だったみたいなことがある。
これは本に深く没入していたから、いわゆる「ゾーン」のような状態になっていたと思われるのだが、電子書籍だとこの状態にとても到達できる気がしない。


これはもう完全に個人の問題で、電子書籍にはなんの落ち度も無い。
凝り固まった私の脳が「本は紙である」という固定観念から脱する事ができないのが原因なんだろうと思う。

元来、新しいもの好きでガジェット大好き人間だから、こういうモノに真っ先に手を出すはずなのだが、未だに電子書籍専用端末に二の足を踏んでいるのはこんな事情があるからだ。

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