ネットの海の渚にて

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マイルドヤンキーという言葉に感じる不快感

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これを読んだ。

「マイルドヤンキー」は単なる情報弱者層 | プレタポルテ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト


マイルドヤンキーという単語を見ると自分のことを言われているようでイライラする。
明らかにそこには蔑称というか、ホワイトカラーの連中がブルーカラーを見下げている感情が透けて見えるからだ。

そもそもこのマイルドヤンキーという言葉は、博報堂の原田曜平氏が創りだした造語。新語だ。
マーケティングを行う上で、お客をカテゴライズしてどのような広告を打てば一番効果が出るか考えるために必要になってくる。
趣味や趣向で購買傾向を図るのは、広告を効果的に打つためには必要なことだからそれは別に構わない。

しかしだ。
そういったカテゴライズは、あくまで内部資料として扱うべきものだと思うのだ。
分析された結果、明らかに侮蔑的な印象があるカテゴリーに自分が属していると気がついた時に受ける不快感。

マーケティングにこういった分析やカテゴライズは必要だから、やってもらうのは構わないのだけどそれを大々的に表に出すなと言いたい。
それは業界内の「隠語」的扱いをしろよと思う。



サービス業をしていると業務上必要になる隠語というのがある。
万引きしそうな客。
クレームばかりを言う客。
セクハラをしてくる客。
嘘ばかり言ってくる客。
こういうお客を表す「隠語」というのがある。
注意が必要なお客が来店した場合に速やかに従業員同士で共有しなければならない時がある。
その時に客にばれないように「隠語」が使われる。

隠語を使うのは直接的な表現をして、それを聞いてしまったお客さんに不快な思いをさせないためであると同時に、トラブルを避けるために用いられている。

お客には知らなくてもいい情報があっても、従業員同士では必要な情報がある。
その時にあえて「隠語」に変換することでお客に余計な情報を与えなくてすむ。
これは小売業でも飲食業でもよく見られることだ。



話を戻す。
業務上で必要であるものの、お客さんには必要のない情報をわざわざ「隠語」に変換して使用するのは気遣いの一種である。
ところがマーケティング業界はそうではないらしい。

広告屋は自分たちが業務上必要で分析したものに名前をつけて、なおかつそれを本にしたりして売り出したりする。
明らかに侮蔑的なカテゴライズされた人たちにも目につくようなやり方でマーケティングする。

草食系男子とかマイルドヤンキーとか、これみよがしにメディアで使われていたりするから嫌でも耳にしたり目にしたりすることになる。
そこに自分が属していなければ構わないのかもしれないが、ズッポリと当てはまってしまうと不快極まりない。
決していい意味で使われているカテゴリーでは無いから、そこに自分が押し込められていることに腹が立つ。


繰り返しになるが、広告業界ではこうやってカテゴライズすることが業務上必要になることは理解している。
だけどその情報を表に出さないで欲しい。
業界内で必要でも一般人からしたらそれは必要ないことだ。
そんなものをこれみよがしに掲げてくれるな。


……と、完璧にマイルドヤンキーの条件を踏襲してしまっている俺は思うのだ。