ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

「スタバでMac」とか「壁ドン」みたいな現象に名前を付けると陳腐化する

これ読んだ。
anond.hatelabo.jp

この増田は「Mac」をあえて「マック」と書いてブコメで突っ込ませるというアレなのでその部分はいいとして、今時スタバでMacを開いているとドヤ顔どころか冷笑されるという空気は確かに感じる。

私の行動範囲の中にあるスタバだと、駅ビル内にある店舗にはマジかよ……と目を疑いたくなるようなレベルで上記のような人たちがいる。
繁華街にある路面店ではそうではないけれど、この駅ビル内の店舗のMac率は初めて見た時に冗談かと思った。
場所柄そういった客層が多いのだとは想像がつくが、それほど大きくない店舗の半数でノートパソコンをカチャカチャやってる意識の高そうな人たちが占拠している様は「あぁこれがネットで聞いていたアレか」と感心してしまったほどだ。


こういうある種の現象に名前を付けることで皆が観測できるようになる。
そういった行為がわかりやすい形でイメージ化されて共有が進むと次の段階ではネタ化される。
ネタ化が一周回ると、その後一気に陳腐化して急速に「ダサく」なる。
「ダサく」なってしまったその現象を今更見つけてしまうと思わず「冷笑」してしまう。

こんな感じで推移していくのだと思う。







似たようなもので「壁ドン」がある。
まあこれは旧来の「壁ドン」と最近流行りの「壁ドン」と2つあるわけだが、男性が女性にぐいっと迫るほうの壁ドンの話。


この壁ドンもそういった行為自体は昔から存在していたのだが、近年それに名称が与えられたことで一気に共有化された。
あっという間に言葉が広まっていろんな形で消費されまくってしまった。

こうなってしまうと、実際の場面で壁ドンに当たるような行為を万が一にでもやってしまうと、そこに笑いが起こってしまう。

女性の方は想像してもらいたいのだが、意味ありげに真面目な顔をした男性が突然壁にドンっと手をつけられて顔を近づけられたら笑わないでいられますか?少なくとも心のなかで「これ壁ドンじゃねえかっw」ってツッコんじゃうでしょ?


本来壁ドンと言われるシチュエーションは男女にとってシビアな状況のはずだったのだが、名前をつけられてネタ化され、こすられまくった挙句に、もう実在の場面では使えないものになってしまった。
もちろんフィクションの世界でも真面目な場面ではもう使えない。
笑いのネタとして消化する以外にない。


別にこういうことが良い悪いと言いたいわけではなくて、むしろある種の現象に名前をつけるとそれがやがて陳腐化して冷笑や笑いの対象に変化していくのは大変興味深い。
おそらく今後も同様のケースが発生して同じようなプロセスをたどることだろうと思う。