ネットの海の渚にて

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サンダルのことをなんて呼ぶのか問題【ジョンジョン】

サンダルの呼称問題

サンダルのことを「つっかけ」と呼ぶ。
オシャレで高級なサンダルは除外するが、ベランダに出る際に履くような置きっぱなしの安っぽいゴム製のサンダルのことを主につっかけという。

これがもしかすると方言だったり世代間で使う使わないがあるのかと思って、Twitterで聞いてみた結果、様々な回答が寄せられた。

福岡在住の23歳の女性も「つっかけ」と言うし、名古屋も福島出身の方も使うとおっしゃっていた。
こうなると方言の可能性は薄い。
おそらく全国的に使われている言葉ではあるものの、その頻度が変わるのだと予想される。

私の身の回りにいる若者に聞いたところ、サンダルのことは「つっかけ」と言わないとのこと。
だが私の同年代は間違いなくその言葉を使う。


この「つっかけ」という言葉が指す履物はどういうものなのだろうか?
私のイメージではこういうものだ。
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学校のトイレにあった便所サンダルやベランダやバルコニーに置きっぱなしにされて色褪せたサンダルをイメージする。
オシャレな女性が履いている今風のサンダルはさすがにつっかけとは言わない。
このあたりの違いもおそらく地方ごとに出てくるだろうと思われる。




ビーチサンダルの呼称問題

もう一つある。
皆さんはこの画像のサンダルをなんと呼ぶだろうか?
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これを静岡中部の者は「ジョンジョン」と呼ぶ。
正確にはゴム製のビーチサンダルなので「ゴムジョンジョン」もしくは「ゴムジョン」と呼ぶ。
おそらく一般的には「ビーサン」と呼ぶのだろうが、静岡におけるトッポイ言い方が「ジョンジョン」なのだ。


先のツッカケと明確に違うのは「鼻緒の有無」になる。
基本的に鼻緒のあるツッカケを静岡ではジョンジョンと呼ぶ。

サンダルとは、かかとを覆わない履物の総称のことで似たものにスリッパがある。
スリッパとサンダルの違いは、爪先部分が覆われているか否かであるので、鼻緒のある草履はサンダルに分類されることになる。
この説明でよくわからなかった人は、お笑いでのツッコミに用いられるのが主にスリッパであると理解してもらったらいい。頭を叩いた時にいい音が出るほうがスリッパで、鈍い音がするほうがサンダルだ。ちなみに下駄で叩くと大木金太郎になるのでご注意いただきたい。


この「ジョンジョン」という言葉の語源はよくわからない。
いつから使われているのかもはっきりしないし、どこから引っ張ってきた音なのかもまったく想像がつかない。
似たような言い換えの言葉で、自転車を「ケッタ」と言ったり、タバコのことを「タンベ」といったりする。
これらは少し調べたらだいたい語源がわかるのだけれど「ジョンジョン」は謎が多い。調べてもよくわからなかった。
この項では暫定的にカタカナでジョンジョンと表記しているが、そもそもそれがあっているかもわからない。ひらがなかもしれないしもしかすると漢字が本来あてがわれるものかもしれない。ただ一番おさまりが良かったのがカタカナだった、というだけである。


この「ジョンジョン」という言葉は私の知りうる限り、富士川以西から大井川以東の間でしか使われていない。
同じ県内でも沼津や三島では意味が通じないし、磐田や浜松あたりでもジョンジョンという呼称は使われていない。

これは静岡が誇るB級グルメ「静岡おでん」の普及範囲と見事に一致する。(適当)


冗談はさておき、このジョンジョンの粋な履き方というものがあるのだと、若いころ先輩方から教育された記憶がある。
普段履いている靴よりも2センチほど小さなジョンジョンを選んで、かかとを少しはみ出すぐらいに履くのが粋であると。
歩き方はいわゆるがに股を基本に、膝から下を外に振り出すようにして、少し前のめりに肩で風を切って歩けと言われた。


もうすぐ本格的な夏になる。
ジョンジョンが似合う季節がまたやってくる。