日本代表戦後の渋谷で毎度のごとく馬鹿騒ぎが行なわれていた。
代表戦が行なわれるたびに何らかの騒ぎが渋谷で起きるようになったのはいつ頃からだったか……。
阪神が優勝すると道頓堀でお祭り騒ぎが巻き起こり、あのドブ川の道頓堀にダイブする奇祭がしばらく前にあったのだが幸いなことに阪神の成績が悪すぎて、この奇祭はめったに開催されない幻の祭りになった。
とまあ軽く阪神をdisったところで今回のテーマはそういうことじゃない。
考えたいのはこのニュースだ。
警視庁渋谷署は１５日、サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）のサポーターらで混雑していた東京・渋谷のスクランブル交差点で女性の体を触ったとして、東京都迷惑行為防止条例違反（痴漢）の疑いで、川崎市に住む自称無職の４０代男を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は１５日午後０時１５分ごろ、交差点の横断歩道上で２０代女性の体を触った疑い。女性がその場で取り押さえ、渋谷署員に引き渡した。
サポーターで混雑する渋谷の交差点で痴漢容疑 日本戦直後、男逮捕 - MSN産経ニュース
渋谷で行われた狂乱のさなか痴漢事件が発生して犯人が逮捕された。
これに対して一部のネットユーザーから「そんなところに行けば痴漢されて当然」だったり「女も覚悟して行っているはず」だとか「あそこは痴漢OKな場所」という発言があった。
【Ｗ杯】痴漢に遭うのは渋谷に行く女が悪い【自業自得】 - Togetterまとめ
2ちゃんねるやTwitterでこのような言説はよく目にした。
もちろんこういう言説に対してカウンターもある。
コンサートやフェスなどでも痴漢被害は多いらしくそういった事案を引き合いに出して「女性はイベントに行く場合、痴漢を受容しなければならないのか」という怒りのコメントを読んだ。
これを書いたのは女性だが、まさに正論でそんなもん痴漢する奴が100％悪いに決まっている。
人が多く、もみくちゃにされるようなイベントに参加する場合は痴漢を覚悟しろというのは、性差別の最たるもので男性目線の愚かな考えだ。
女性であっても性被害にあうこと無くイベントを楽しむ権利があるはずで、それが守られないのならこの国は法治国家ではない弱肉強食の北斗の拳的世界である。
痴漢がしやすい、例え痴漢したとしてもそれがバレづらい、そういった環境を悪用して実際にことに及ぶ輩は厳罰に処されなくてはいけないし、そういった輩が跋扈できない環境を管理者は作らなければいけない。
渋谷の狂乱は確かに誰かが主催したわけではないが、だからといってその場所に行った女性に非があるとしてしまえばこの状況は何も改善しない。
君子危うきに近寄らず
渋谷で痴漢被害に遭った女性を揶揄する人たちは要はこのことを言っている。
確かに一理ある。
アブナイとわかっている場所に足を踏み入れて予想された被害に遭ったとしてそれに同情できるのか？ということになる。
もちろんそうなのだがそれでは女性は行動に制限がかけられていることを認めてしまうことになる。
インドでは女性が凄惨な事件に遭っている報道をこのところよく見る。
もちろんこれには日本とは違うカースト制度が背景にあったりして複雑な事情があるのだが、女性が男性から性的搾取を受けることは仕方のないことであるという文化が根底にある。
唾棄すべき悪習であるのだが長年に渡って染み付いてしまっているので、これを改革するのは並大抵の努力では成せない。
この問題に取り組む女性活動家が殺害される事件すら起きている。
インドレイプ報道まとめ２０１３ - インド
今回の渋谷の事件とインドのケースは被害のレベルが違うとはいえ根本は同じである。
女性なのだからアブナイところに踏み込むなということになる。
海外旅行に行けば立ち寄ってはいけない場所というのがあって、事前に注意される。
それでもその忠告を聞かずにトラブルに巻き込まれた場合、責められるのは本人である。
自己責任論であり確かにその考えは理解できる。
けれど本来そういったアブナイ場所をなくすのが正しい行為であって行かないようにするのは臭いものにフタをするだけである。
渋谷の馬鹿騒ぎに巻き込まれた女性を揶揄してもなにも解決はされない。
痴漢しないことが当たり前であって痴漢されるかもしれないから女性は参加するなという方が極論でなければならないはずだ。
女性も安心してイベントに参加できるように我々が変えていくことが本来正しいあるべき姿であって、女性だから我慢せよと言うのはあまりにも前時代的に感じますが皆さんはどう思いますか？
