DQNじゃないのになぜかDQNにどっぷり浸かってしまった話 (DQNシリーズ第2話)
ボクが高校生だった時の話だ。現在の感覚と当時の感覚ではかなりの違いがあるはずなので最初に少々説明させていただく。ボクが高校生のころは当たり前だけれどDQNなんて...
今回は上記エントリーの続きです。
まだ読まれていない方はこちらを先に読んでください。
授業中に不良のN君と喧嘩をして一週間の停学処分を食らったボクは内心、「一週間も休めるw」と思っていたけれど現実は違った。
なんのことは無い。いつもと同じく登校して喧嘩の後連行された、あの生徒指導室に缶詰にされるだけだった。
生徒指導室の中に入ると机が二組あって既にそこにはN君が座っていた。
一瞬戸惑ったけど腹を決めて隣に座った。
竹刀を持った指導主任が仁王立ちしていて「お前らこれを書き写せ」と道徳の教本のようなものを僕らに渡した。
どうやらそれを原稿用紙に書き写すのが停学中の罰らしく、僕らは真面目にペンを走らせていた。
普通の授業と同じようにチャイムが鳴って休み時間も一応はあったが教師が見張っているので結局椅子に座ったままでいた。
私語も許されていなかったし、そもそもN君がボクに対して復讐を企てているはずだと思っていたので終始気が抜けなかった。
我がクラスの不良ヒエラルキーのトップであるN君が「普通」に属していたはずのボクに一方的にボコボコにされたのだから彼の心中を慮れば致し方無い。
ボクはこの日の下校時が一番危険と感じていたのでどうやって逃げるかシミュレーションを重ねていた。
最期のチャイムが鳴った後、帰ってもいいと教師から告げられたけれどボクはN君が先に席を立つまでそのままでいた。
N君は帰り支度を始めて何事も無く教室を出て行ったのでボクは胸を撫で下ろした。
だが、油断はしなかった。
教室を出て校門を抜けるまでの間に待ち伏せしているかもしれないからだ。
N君一人ならなんとかなるがO君まで出てこられたらさすがにやられる。
そんな最悪のイメージを浮かべながら細心の注意を図りつつ教室を出た。
恐る恐る廊下を通って下駄箱まで辿り着いたら不意に背後から「おい」と声をかけられた。
「まあそうなるわな」と半ばあきらめながら振り向くとN君一人だった。
O君がいなくて最悪の事態は免れたと安堵はしたが、いつ殴りかかられてもいいように身構えた。
N君は意外にも「お前喧嘩強いんだな」と言ってニヤッと笑った。
あれっ……?
これは喧嘩する空気じゃないなと嗅ぎとったボクは謝ったほうが得策と判断し、すかさず「昨日は殴ってゴメンな」と言った。
この時代の不良は基本的に単純でバカだ。
臭いドラマみたいに喧嘩をして仲良くなるというのが実際に起こる。
現にボクとN君はこれで仲良くなった。
N君はO君の取り巻きだったから必然的にO君とも引き合わされることになる。
ボクはO君はマジでヤバいと本能で感じていたから会うことがイヤだとN君に言いたかったけれど、なめられたらその後の学生生活が辛くなることもわかっていたので、目一杯虚勢を張ってO君との対面に臨んだ。
N君との喧嘩の一件が、なにやらかなり大きな尾ひれを付けた噂になって不良連中に廻っていたらしく、ボクはO君率いる不良グループにすんなりと受け入れられてしまった。
しかもN君に喧嘩で勝ったからという理由でO君の次のポジション、つまり不良グループのNo.2に据えられてしまうことになる。
ボクはどちらかと言えばオタクとの親和性の方が高いにもかかわらず自分の意志とは無関係に不良グループの一員として周知されてしまった。
ここからボクのDQNじゃないのにDQNにどっぷり浸かった学生生活が始まることになる。
ボクが思い描いていた学生生活はこの一件で音を立てて崩れ去った。
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