ネットの海の渚にて

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子供の頃に思い描いていた21世紀とは随分違うなぁって話

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先日、10年ぶりくらいに映画「AKIRA」を見た。
1988年公開の作品なのだが古さを感じさせない映像美や街の風景、バイクのデザインなどいま見ても充分にカッコイイ。

今回はAKIRAの感想を書くわけではない。
劇中に2020年東京オリンピックのポスターが出てくるのだがこれは少し前に話題になったから覚えている方も多いだろう。

AKIRAの設定に現実が追いついたということだ。



俺が子供の頃はもうすでに人類は月に到着していた。
科学技術は凄まじい速度で進化していて21世紀になればそれこそアニメや漫画で描かれている世界になるのだろうと思っていた。
それくらい当時の科学の進歩の速度は凄かった。


ドラえもんや鉄腕アトムなどの未来を期待させる作品は数多くあった。
小学生の頃は本当に21世紀になれば車は空を飛んで家にはお手伝いロボットがいるような世界になるのだと信じていた。

ラジオがテレビにレコードがCDになって、カセットテープはMDに変わった。
黒電話がFAXになってビジネスマンはポケットベルを持たされていつでも連絡が付くようになってしまった。
見たこともなかったようなモノが現れて生活が便利になる興奮は確かにあった。
しかし最近、そこまで興奮するような発明品はあまりないような気がする。


先の大戦が終わってアメリカが月に人類を送ったところまでの科学技術の急速な進化は今からすると異常とも言える。
そのときの勢いが持続したならば21世紀に漫画の世界が訪れることに充分な説得力があった。
当時の感覚から言えばもうとっくに火星に人類が足跡を残していなければおかしい。
しかし現実は違う。


鉄腕アトムの誕生日は2003年4月7日だ。
今から10年以上前にアトムは生まれているはずだった。
機動警察パトレイバーも20世紀末が舞台だが、レイバーなるものが未だかつて工事現場で活躍した話は聞かない。
ちなみに北斗の拳では199X年に核の炎に包まれている。


子供の頃に読んだ漫画の世界はもっと科学が進んでいるはずだったのだが現実は思いのほか進化していない。
もちろん科学は日々進化していて着実に歩んでいるのは理解している。
それでも戦後から80年代くらいまでの急激な科学の進歩は、ある時点を境に鈍麻した印象を受ける。


AKIRAは2019年のネオ東京が舞台だ。
攻殻機動隊シリーズは2029年から始まる。

15年後にとてもじゃないが草薙素子はいないだろうなぁと思うと少々さみしい気がする。

AKIRA 〈Blu-ray〉

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photo by Gen Kanai