暑さには弱いけれど寒さには強いみたいな根拠の無い自信を持ってウン十年と生きてきた。
ところが最近年をとったせいだと思うが、ついに「膝が冷える」みたいなことを感じるようになった。
今までは寒い日でも着こむのは上半身だけで、腰から下の防寒に気を使ったことなど無かった。
それはスキーにドップリはまっていた10年ほどの期間でもそうだったから体質なのだと思う。
当時一緒に滑っていた他の友人たちは、皆スキーウェアの下にズボン下を履いたり、厚手の靴下を二重に重ねたりして、寒さ対策をとっていた。
けれど私は普段と同じくズボンの下はパンツだけ、という状態でマイナス20度の中でも押し通していたわけで、下半身が寒いという感覚を最近まで持ったことがなかった。
冬になると足が冷えて夜なかなか寝付けないなんて話をよく聞くが、自分自身がそういった目にあったことが無いのでよくわからなかった。
冬でも足は温かくて、ワークブーツなんかを履くとむしろ蒸れて困るくらいだった。
それがここ数年「下半身の冷え」というものを理解できるようになってきてしまった。
パソコンに向かって長時間仕事をしていると、足元の寒さというものを感じるようになってひざ掛けを欲したりする。
昔の自分だったら考えられないことだ。
今ではいつでも使えるようにマイひざ掛けを用意してあるし、ズボンの下にはユニクロのヒートテックを履くようになってしまった。
寝る時でも昔だったら足が熱くなって布団から突き出したりしていたのに、今では布団に入る30分前には電気毛布のスイッチを入れて温めたりしている始末だ。
年末はなにかと忙しくて疲れが溜まる。
そこに「冷え」が重なったのか、なぜか数日前から左膝がポキポキ鳴るようになってしまった。
階段を登るときは問題無いのだが、降りる際にほぼ100%の確率で左膝がポキっと鳴る。
右膝は無音なので一段とばしで「ポキッ、ポキッ」となかなか大きな音で鳴る。
駅前の地下に続く長い階段なんかだと、そもそも建物の構造上「ポキ音」が響くし段数も多いので、前を歩いている人が流石に違和感を感じるのか振り向いたりする。
なので現在かなり恥ずかしい思いをしながら階段を使っている。
といっても階段を避けることが必ずしもできるわけではないから、むしろ開き直って「ポキッポキッ」と響かせているわけなのだ。
とりあえず痛みなどは無いので、音が鳴る以上の不都合は今のところ無い。
だから病院にも行っていないのだが、この症状が続くとなると近いうちに「左膝ポキニキ」というアダ名を付けられてしまうのではないかと不安になる。