ネットの海の渚にて

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WiMAXの新プラン「ギガ放題」の発表を聞いてがっかりした

UQがWiMAX2+の新プランを打ち出した。
最近、諸事情があってプロバイダーを変更しようと思っていた。
その第一候補としてWiMAXを考えていたがこの発表で一気に萎えた。
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UQがWiMAX 2+で無制限プラン復活、“解放”を謳う新施策 - ケータイ Watch

 登壇したUQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏は、3キャリアが2014年に相次いで導入した新料金プランについて、パケット通信料が従量制に移行し、「使えば使うほど高くなる不安がある。そういったものから解放していきたい」としたほか、同じく拡大しているMVNO各社のサービスについても「速度と通信料のジレンマから解放」、固定回線のブロードバンドについても引っ越しの際の手続きや配線の処理から「解放していきたい」と、現在の課題を指摘しながら、“解放”をキーワードに同社のスタンスを表明する。

 その同社は、従来の倍となる220Mbpsで、将来的には1Gbpsを見据えた通信速度の倍化施策を「ヤ倍速」と命名。同時に発表した、月間の通信容量を無制限とする「UQ Flatツープラス ギガ放題」(ギガ放題)と合わせて「ギガヤバ革命」としてアピールしていくことが明らかにされた。

しきりに無制限を謳っているが実際は違う。
ギガ放題という新しい料金プランを打ち出したがそれにすら実際は制限がかかる。
WiMAXが始まった頃は無線端末でありながら家で使う固定回線としてもおすすめできるという触れ込みで売りだした。
通信制限がない本当の意味での「ノーリミット」が実現されていたから固定回線代わりに使っている人も多いと思う。

 料金プランでは、「ギガ放題」として、月間の通信量に制限を設けないプランが復活した。WiMAX 2+向けにすでに提供している「UQ Flatツープラス」では、月間通信量が7GBという設定が今後適用される方針だが、ユーザーの反応などから検討し、「ノーリミットの魂を継承したもの」として「ギガ放題」が新たに提供されることになった。一方で、WiMAX 2+対応端末では、「UQ Flatツープラス」「UQ Flatツープラス ギガ放題」を月単位で変更できることも明らかにされ、7GB以下に収まるユーザーにも選択肢を残している。

自分もWiMAXを固定回線代わりに使いたいと考えていた。
現時点では通信制限は行われていない。(別料金が発生するAUの4Gを使う場合は制限あり)
現時点では固定回線としても使えるがこれが今春から月7G制限がかかるという。
モバイル回線として使っているならまだしも、固定回線代わりに使っている層にはあまりに大きな変更になる。

この月7G制限を撤廃したのが新プランの「ギガ放題」なのだが、このプランにも通信制限がある。




 質疑応答の時間には、直近3日間で3GBを超えると速度を制限するという規制について質問が及んだ、野坂氏は、「一定の人が帯域を独り占めするのを防ぐ、防衛の意味合い」とし、直近3日間で3GBを超えた際の「終日制限」は、プランの上限到達時の速度制限とは考え方が異なると指摘。「(終日制限は)128kbpsになるようなことはなく、YouTubeの標準画質の動画くらいなら見られるようなものを考えている」とした。一方、3日間で3GBを超えると、ほぼ一律的に適用される方針ともしている。
 囲み取材でも「無制限でも3GBの制限がある」との指摘に対し、「複雑になるが」と前置きした上で、「3日間で3GBの制限があるといっても、では30日間で30GBが上限かといわれれば、それは違う。仮に(制限後の目安である)700kbpsで24時間使ったとすれば、1カ月で210GBになる計算。3日間を超えて何GBも使い続けるユーザーは“ノー”だが、それ以外のユーザーは使える。(簡単に)制限があるとは言われたくない。ドコモが3日間の終日制限を撤廃したといっても、(プラン自体に)2GBや5GBなどの上限があり、我々のノーリミットとは意味が違う。終日制限は、本当は悩んだところ。撤廃する手もあったが、それは無責任。UQとして今までなかった取り組みで、今言わなければと考えた」などと時間を割いて終日制限の方針を説明した。なお終日制限でのスループットについては、「700kbpsに制限するのではなく、700kbpsが十分に通る速度」と技術部門長の要海氏から補足されている。

「ギガ放題」と謳っておきながら3日で3GBの制限がある。これを超過したら「YouTubeのノーマル画質がどうにか見れる速度」まで制限されるというお仕置きをされるのだ。


固定回線としてのワイマックスはもう無理なのか?

そもそもWiMAXを固定回線代わりにしようと考えるほうがおかしいんだよ、と言う人もいるだろう。
それでも当初はそういうコンセプトで出てきたサービスだ。
そこに魅力を感じている層は間違いなくいるわけだが、今回の件で固定回線代わりにするにはかなり厳しい条件になったと感じる。

高速通信といっても実際は10Mbpsもあれば大抵のことはストレスを感じることは少ない。
220Mbpsもの高速回線が必須になるようなサービスも思いつかない。
巨大なデータをクラウド等とUP DOWNする場合には、その時間が短縮されるような利便性はあるのだろうけれど、そういった恩恵に与る機会は一般的にはそれほど多くはないだろう。
ネットを介した大量(GB単位)のデータのバックアップやダウンロードなんてそんなに頻繁にやることではない。
そもそも3日間で僅か3GBのデータ通信量で制限をかけられてしまうのだから、せっかくの高速通信も宝の持ち腐れになる。
高速回線によって小さいデータだとしても、瞬時に通信が完了するからその分帯域が確保できて、トラフィックが安定するってことなんだろうと頭では理解しているがやっぱりUQのこういった施策にモヤモヤは残る。


光回線よりも速い高速通信を目指すより、常時安定して10Mbpsほどの速度が出て、制限なしの使い放題という回線のほうが利便性もニーズも高いのではないだろうか。
HD画質のストリーミングも常時10Mbpsの速度が確保されていれば視聴に問題はない。
もちろん各個人で使い方が異なるから考え方が違う人もいることは理解している。
けれど最高速度を上げることに傾倒して、本来WiMAXが持っていた最大の魅力である「本当のノーリミット」をやめてしまうのは悲しい。

これで唯一の無制限だったWiMAXも制限付きになってしまう以上、固定回線は光やADSLなどに頼らざるを得なくなってしまった。
選択肢が減ってしまったのは本当につらい。