こちらを読ませていただいた。
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上記の記事をきっかけとして、ちょっと消費者としての立場から思うことがあるので書かせてもらう。
Yahoo!ショッピングが出店料等の無料を打ち出したのは記憶に新しいし、これでECサイトの楽天一人勝ち状態が壊れるかもしれないと期待感があったのも確かだ。
けれど結局今に至るまで消費者の視点からは、EC業界に特段大きな変化があったようには思えない。
それは上記の記事にあるようにYahoo!への出店数は増えたものの売上ベースで見たら楽天から客を引っ剥がすには至っておらず、楽天の天下は今もなお続いていてECサイトの勢力図は変わっていないことがわかる。
私がネットで何かを購入する場合、まずどこで探すかというとそれはAmazonだ。
何故かと言うと他のECサイトよりも検索がしやすいからで、これは逆に言うと楽天やYahoo!ショッピングの検索があまりにスパミーでちょっと検索しただけでストレスフルになるからであって、決してAmazonの検索が「特に優れている」わけではない。他が悪すぎて相対的によく見えてるだけにすぎない。
Amazonも最近ではスパム的なものに検索汚染されてる気がするが、このまま放置していたら今に楽天面に堕ちることになるのではないかと心配している。
私が普段楽天を避けているのは検索がどうしようもないことともう一つある。
それは楽天が推奨しているあの独特のデザインだ。
いくらスクロールしても価格や購入ボタンに辿りつけないような超が付くほどの邪悪な縦長のデザイン。
なぜかその店の子供なのか孫なのかわからないけれど子供のアップ画像が多用されていてさらに吹き出しまでついて薄ら寒いコメントをしていたりする。
どぎつい配色でやたらに過剰なcopyばかりが並んでいて、全然目的の商品のスペックや正式な概要にまで辿りつけない。
そんなユーザビリティのかけらも感じられないデザインが楽天には横行していて、探しものなんかで長時間各ショップを渡り歩いていると目がチカチカしてくるし、終いには頭痛まで起きる。
この「THE楽天デザイン」がこれほど氾濫しているのは楽天側がショップにそういう指導をしているからに違いないし、これだけ多くのショップで使われているということは、おそらくそれなりの成果が認められているんだろうと思う。
そうなるとこのデザインに拒否反応を起こしてしまう私のほうが異端である可能性は否定出来ない。
で、ここまでは私の楽天が苦手な理由を書き連ねてきたわけだが、Yahoo!ショッピングも同様に苦手だ。
Yahoo!が楽天に対抗して優遇策を打ち出したときにこれはECサイトの勢力図が一変するかもしれないと期待したわけだが、なんのことはない。楽天のコピペショップが出来ただけだった。
楽天とYahoo!双方へ出店しているショップは多いが、その殆どはお互い同じデザインで値段も同じケースが多い。
出店コストがYahoo!の場合安いわけだから精緻に計算して運営したら、楽天よりも安い価格で出せるはずなのだ。
しかし多くのショップでそうなっていないのは、あくまでもメインサイトは楽天でYahoo!は出店コストも安いから予備的に使っているというスタンスなんだと思う。
そうなると人的リソースを割いてまでわざわざYahoo!用に価格設定を見直すなんてことにコストをかけられないのはよくわかる。
そんな状態なのにYahoo!ショップ用に新たなデザインを作るなんて余力があるわけもなく、楽天で使っているものをそのまま流用してしまうのも当然だろうと思う。
こんな店ばかりだからYahoo!ショップを覗いてみても一見では楽天との違いがわからない。
細部にあるYahoo!のロゴを発見してようやくここはYahoo!ショップだったのかと気づく。
Yahoo!ショッピングの売上が伸びないのは、実情が楽天のコピーでしかないからわざわざYahoo!で購入しようとする意味が無い。
そもそもネットで何かを購入する場合の消費者は、価格やそれに準ずるポイントによってどれだけベネフィットがあるかを瞬時に比較できる状態にあるわけで、そうなると楽天とほぼ何も変わらないYahoo!に乗り換える意味が見出せない。
さらにポイントによってそのサービスに縛り付けられているから余計に他のECショップに浮気しづらくなっている。
楽天に囲い込まれた客を引き剥がしてYahoo!に鞍替えさせるには、相当大きなキャンペーンを打って、楽天を凌駕するベネフィットを提供するしかない。
そんなことはYahoo!もわかっていて、サービス当初はかなり大掛かりなポイント祭りなんかをやったのだが、それでも売上ベースで5倍の差を埋めるのはやはり相当厳しい。
様々な業界で言われる「2番手が一番儲からない」というジンクスがあるが、Yahoo!はまさにこれに陥っていて、中途半端な施策はかえって収支を悪くさせるだけなので覚悟を決めて一気に物量で攻めるしか無い。
兵力の逐次投入が最も被害を悪化させることは歴史が証明しているので、楽天一人勝ち状態をぶっ壊すために孫さんは是非がんばっていただいて、EC業界の地図を塗り替えていただきたい。
そしてYahoo!が一番手になった暁には検索機能を見なおすとともに、各ショップに対して現状のあの毒々しいデザインをもっと洗練されたものに変更するように指導して欲しい。