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ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

騙し騙されのインターネット時代を懐かしむおっさんの話

私はネット歴がそこそこ長い。
おそらく20年以上になると思う。
テレホーダイには当然加入していた世代だしテキストサイトも色々と入り浸っていた。
2ちゃんねるもROM専ではあったもののネオ麦茶で有名になる前からちょくちょく覗いていた。
あめぞう時代は知らない。

一昔前までネットは嘘だらけで「罠」みたいなものはそこら中にあった。
それこそダイアルアップ時代はちょっとでも油断するとダイヤルQ2回線や国際電話回線に繋がれてしまって高額請求が来ることもよくあった。

ADSL等の常時接続が当たり前の時代に移ると、なにかをクリックするとあたかも勝手に契約してしまったような画面を表示して高額請求する詐欺なんかが流行った。




それ以外にも「ブラクラ」や「グロ画像」なんかは腐るほど設置されていた。
まあ、私がアングラなサイトに潜っていたからそういったものを頻繁に目にしていた可能性は高い。とはいえ当時はまだインターネットそのものがアングラなものとして認知されていたし、実生活でパソコンを持っていると言うとそれだけで「オタク」の烙印を押されるような時代だった。


そういうものに引っかかって困った挙句にネットで相談なんかしようものなら「10年ROMれ」「ケーブルで首つれ」と揶揄されてバカにされたものだ。
騙される方が悪い。
この時代ネットではそういう論調だった。
簡単に言えばこの時代のインターネットは自分の意志でわざわざアングラな世界に足を踏み入れてきたのだから自分でどうにかしろというのが前提としてあった。
だからこそ自己責任論が幅を効かせていたと思う。
自己防衛が出来ない奴はこっちにくるなという感覚だ。


時代は下って現在はスマホ全盛時代になった。
ネットネイティブと呼ばれる層も出てきた。
ネットがアングラだった時代はとうに過ぎてしまった。
ライトでクリーンな情報が好んで消費されている。


いつの間にかネットはクリーンで正しいものになった。
もちろんネットは広大だから片隅にはアングラなものも存在しているし、もっと言えば法に触れるような情報も含んでいる。
それでもクリーンな情報が大量に溢れてそういった「アブナイ」情報は隅に追いやられてしまった感はある。


子供がネットを使う時代である。
アブナイものがそこらにあってはいけない。
確かにそうだろう。
そうやってアブナイものが排除されていってクリーンなものばかりに囲まれることになる。

無菌室で育った子供でもやがて世に出ることになる。
一度も風邪を引かなかった子供は抗体が無いはずだ。
世間の風を受けたとき果たして無事でいられるのかどうか……。


騙された経験がなければ騙されない知恵はなかなか育たない。
検閲されたクリーンな情報ばかり摂取していては真贋を見極める力が養われない。
極論ではあるものの私はそう思っている。

ネットリテラシーはバカッターの案件を見れば若年層ほど急いで育てなければならないと感じる。
ネットがあまりにも身近にありすぎて安全なものと認識していないだろうか?
実際には世界中につながっているわけで仲間内の閉じた世界ではない。
バカッターの案件はその感覚がずれているから起こった騒動だと理解している。


昔のインターネットは確かに「オタク」っぽい雰囲気はあった。
その世界に参入するためには自分で色々と調べたりしなければならなかった。
まだまだパソコンが高価だった時代だ。
ネットに繋ぐ人間はそれなりにフィルタリングされていた。
トラブルを自分で解決したり、詐欺に合わないための目を持っていた。
それは自己努力で養われたものだと思う。


現在はネットに繋ぐ障壁は驚くほど低い。
スマホを手にした途端、無意識のうちにネットに接続しているのだろう。
あまりにシームレスなのでネットに接続している感覚が無いのかもしれない。


先日この記事を書いた。
個人ブログの嘘はどこまで許されるのかなって話 - ネットの海の渚にて

個人のブログにはどこまでフィクションを混ぜていいのかという内容だ。
多くの方からコメントを頂いた。
全て目を通しました。貴重なご意見ありがとうございました。


以下はこの記事に対して言及を下さったブログだ。
みんな嘘が大好き - はてなブログを毎日書いていたら10Kg痩せました!
話を面白くするためのウソには必ずオチをつけるべき - novtanの日常
記録? -20140311 - マトリョーシカ的日常
ブログに嘘を書き続ける嘘吐きの戯言。 - 隠れ家日記
作り話をさも体験談のように語る弊害について - ←ズイショ→
嘘を発信することと嘘かもしれないことを受信すること - 指揮者だって人間だ
※このブログはフィクションであり、実在する団体・人物名とは一部関係ありません。 - 別館.net.amigo
ブログに嘘を書かれても確かめようがないので…… - maze713's blog
徒然日記20140311 - 心のパンツは脱げるのか?
嘘とか本当とかどっちでもいい - 殴る壁
ブログに嘘を書くのは気前のいいやつ - 本しゃぶり

これらも全て読ませて頂きました。
これほど沢山の方から反響をもらうことが出来て感謝しています。
皆様ありがとうございました。

新聞やニュースなどに正確な情報を求めるのは当然だがそれをネットの中にまで求めている。
大手メディアが流す情報の精度が問われるのは確かにそのとおりだろう。
しかし個人のブログにまでその精度を求めるのは違うと思う。
体験を元に記事を書く場合にでも面白くするために「盛る」部分は確かにある。


「iPhoneを電子レンジに入れると急速充電ができる」
このネタをさも真実のように個人ブログが記事にした場合、糾弾されることになるのだと思う。
一昔前だったら「騙される奴が悪い」で済んだ話だった。
むしろ騙された振りをして更に追加でネタを供給するような空気もあった気がする。

現在では冒頭に「これはフィクションです」と断りを入れるのが当然という時代になったんだと少しさみしく感じるところもある。


時代の要請としてクリーンで正しいインターネットが求められているのも理解できる。
けれど騙し騙されのネタとノリにまみれたあの頃のネット空間も楽しかったと懐かしい気分になるけれど、こんなことを言っているとまた「おっさんの昔語りかよ」と怒られちゃうのでこの辺で終わりにします。

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