ネットの海の渚にて

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映画「ミスト」を観たので感想を書くよ

ミストを観た。
この映画はその衝撃のラストシーンで賛否両論が割れる作品だ。
最初に書いておくが俺はこの作品をかなり高評価している。

ものすごくざっくりあらすじを説明すると息子を連れたお父さんが街に買い物に出かけてそこのスーパーなのかホームセンターなのかよくわからないが大きくていろんな物が売っているお店の中で他の多数の客と共に閉じ込められてしまう。
街を覆い尽くすほどの霧が発生して辺りを充満するとその中に「何か」がいることに気づく。
静止を振り切って霧の中に入って行く者が現れるが予想通り最悪の結果になる。
そんな状況の中であれやこれやと問題が発生するが主人公のお父さんが活躍して困難に立ち向かうそんな映画だ。




こう書くとよくあるパニック映画なのだが実はそう単純な話ではない。
観たことがある人は気がついたかも知れないが典型的なアメリカンマッチョの主人公は数々の困難に対していかにも映画的なお約束の行動を取る。
困難な状況の中、勇気を発揮して弱っている人を助け正義感に満ちた父親像を演じている。

ところがだ。

最後まで鑑賞するとわかるが当初正しいと思われる主人公の選択はよくよく思い返してみると全て間違っていることに気付く事ができる。
人助けの行動がさらなる被害を増幅する結果となったり、正義の行動で人が死ぬ。
いかにもアメリカ映画的ヒーローの行動を取り続けるのだがその行動は全てが裏目に出ている。もちろん劇中では気がつかない。観客もある種のお約束に乗せられているからだ。ヒロイックな行動を取って当然という流れなので不信感は抱かない。

そうやってお客を騙したままラストシーンでその選択は最悪の結果を生み出す。
後味の悪さでは近年屈指の出来だ。
ハリウッド映画のお約束を皮肉る意図があったとしか思えないラストシーンはやはり賛否が別れる結果となった。
おそらくこの映画が今までのハリウッド映画に対する壮大な嫌味と皮肉が込められていることに最後まで気が付かなかった人は不満を抱くのかも知れない。
皮肉に気がつけばニヤリとさせられる。
そんな映画だ。

一回観た後に見直すとよくわかるが主人公の選択は全て悪い結果を生じる結果となっている。脚本が本当によく練られているのがわかると思う。

こういうトリックが仕込まれていることに気がついてから見るとこの映画の印象がガラッと変わるので是非見ていただきたい。
面白いよ。

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