禁煙開始から一年
去年の3月31日に最後のタバコを吸って以来だから、今日でついに一年が経過したことになる。
20年以上にわたって毎日1.5箱以上は吸ってきたから、簡単には禁煙できないだろうと思ってはいた。
とうの昔に禁煙した職場の上司に何年にも渡って「禁煙しろ禁煙しろ」と言われ続けていたわけだけれど、その頃は若かったのもあって絶対にタバコは辞めないと逆に決意を固めたものだ。
なぜか禁煙を成功すると途端に嫌煙になる人がいる。
悪く言えば禁煙ファシズムだ。
ついこの前までプカプカ吸っていたくせに、いざ自分が禁煙するといきなりタバコを吸っているものを見下げてくる。
先の上司はまさにそういう人だった。
今風に言えば「意識高い系」のはしりのような人間で、啓発書やらビジネス書を読んではすぐに影響されて人に薦めてくるし、また違う本を読むとこの間と正反対のことを平気で言い出すような人物だった。
そんな人に「タバコを吸っているとビジネスマンとして成功しないぞ」と度々言われても説得力なぞあるわけが無く、むしろ意地になってタバコを辞めない決心がついたのは言うまでもない。
20代を丸々その上司と一緒に過ごして心底うんざりしていたが、ある日急に「脱サラして起業する」と言い出して会社を辞めてくれたから本当に嬉しかった。
その上司がいなくなったのもあって、そろそろタバコをやめようかなと思うことが多かったけれど、なかなか踏ん切りがつかなかった。
極めて長い間吸ってきたから、禁煙するには相当つらい思いをするだろうと予測していて、それ相応の覚悟ができないうちは禁煙をスタートするべきではないと思っていたからだ。
その後10年ダラダラと伸ばして、結局30代の最後にようやく禁煙の決心がついた。
なので去年の3月いっぱいでタバコを辞めると決意した時には、周囲の人間に「禁煙するぞ」と触れて回った。
これは自分の負けず嫌いな性格を利用するためだ。
禁煙すると自ら言い出した以上、途中でやめたら周りの人の目が気になる。
だから自分を追い込むためにあえて周囲に宣言した。
それだけではない。
タバコも灰皿もライターも、普通だったら処分するのが王道だと思うが、ここもあえて出しっぱなしにした。
いつでもタバコが吸える環境であるにもかかわらず、自分の強靭な意志で我慢出来ているのだ、というよく分からないプライドのようなものがそうさせた。
自分でもよくわからないが、タバコが手元にないから吸えないではなく、目の前にあるのに吸わないという、妙ちくりんなプライドが意味不明な行動を起こさせたのだと思う。
このタバコを捨てたのはつい最近のことだ。
私がやった禁煙方法は決してオススメできるようなことではない。
この記事にもあるが禁煙を開始してまもなくの頃はめまいやひどい眠気があって、車の運転などは本当に危ない。dobonkai.hatenablog.com
仕事でどうしても運転が避けられないような人は絶対に無理しないで欲しい。
禁煙外来に行って減煙療法を受けたほうが何かと安心だ。
私は生来のドM根性で乗り切ったが、急激にニコチンを抜くのは、色々と障害が起こりかねないのでご注意いただきたい。
タバコ中心の生活からの脱却
喫煙時代は生活中に意識しなくても「たばこを吸うため」という行動が入り込んでくる。
レストランでも喫煙席を選んだり、新幹線でもタバコが吸えるブースの位置を確認したりする。
タバコの吸えない飲食店をある程度記憶していて避けたりするし、仕事の合間にサボる時でも気兼ねなくタバコが吸える公園だったりを複数箇所ストックしてある。
要は「タバコに行動の決定権を奪われていた」ということだ。
意識していなくてもタバコを吸うために行動が制限されていることが多かった。
禁煙が成功するとそういった諸々の縛りのようなものから開放されるから自由度が上がる。
これも以前の記事で触れたが、禁煙できたからといって急激に頭の回転が早くなったり、仕事ができるようになったりなんかしない。dobonkai.hatenablog.com
たまにそういったことを平気で書いてある禁煙本なんかがあるが、そういったものは嘘だ。
禁煙が成功できたからって、大きな変化なんかおこらない。
むしろ少し太る。
昔良く聞いたのは「たばこをやめると飯が旨くなる」ということなのだが、これもいまいち実感出来なかった。
飯が美味くなるから太るという因果関係は、なるほど納得できるのだが、いざ禁煙が成功しても特に今までと味覚は変わらなかった。
変わらないのに太ったのには理由がある。
アホほどガムを食べたからだ。
ボトルのガムを大体3日で空けてしまう。
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だけどガムを噛まないと我慢できないくらい禁煙が辛かった。
人の前では、さも平気な体を装っていたけれど、実際はめちゃくちゃ辛かった。
何度もタバコを吸いかけた。
目の前のテーブルにあるたばこを一本抜いて、鼻にあてがって匂いをかぐ。
懐かしい匂いが鼻腔をくすぐるのだが、火を付けずにまた仕舞う。
そんなことを夜な夜な繰り返していた。
今振り返ると本当によく禁煙できたなと思う。
自己流のめちゃくちゃな禁煙で成功できたけれどかなりの苦行だった。
これから禁煙しようと思っている方は私のような我流ではなくて、病院にかかったほうがいいと素直に思う。
禁煙に終わりなし
禁煙というのは終わりがない。
半年を越えたあたりで唐突にタバコが吸いたくなる症状が出た。
禁煙を開始して一週間から10日目あたりが最もきついが、それと同じくらい猛烈にタバコが吸いたくなる症状が急に現れる。
半年を越えた後から出始めて、今も時折症状が出る。
猛烈にタバコが吸いたくなっても10分も我慢していれば峠は越えるので、どうにかなっているが、一年禁煙してもこんな症状が出るのかと正直びっくりしている。
夢の中でもタバコを吸う夢を見る。
もうタバコが無くても大丈夫だと思っていても夢の中でタバコを吸うシーンが度々出てくる。
自分では平気だと感じていても、無意識下の中ではタバコを欲しているのだと思うと、禁煙というのはいつになったら終わるのか薄ら寒くなる。
ようやく一年になったが、ここでうっかり「一本くらいなら」などと吸ってしまったら元の木阿弥になりかねない恐怖がある。
今後も油断せず2年3年と禁煙を着実に続けていきたい。
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