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ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

みりんと料理酒の使い分けや役目など

漢の料理

みりんの使いどころ

料理にみりんを使うのは味にコクと甘みを足したい場合や、煮物などで「照り」を出したいときになる。
甘みというのは料理の味付けにおいて塩味と双璧をなすもので、非常に重要な要素になる。
例えば少しだけ甘みを足しただけでも全体の味の厚みが増したりするので、甘みの調節は料理の仕上がりに直結する。

甘みを足すだけなら砂糖を入れたらいいのだが、あえてみりんを使うのは甘みだけではなくみりんに含まれている旨味成分や風味なども同時に足せることになるし、なにより和食的な味付の根源はみりんの風味にある。
もちろんすべての和食にみりんを使うわけではないが、カツオや昆布の出汁+みりん+塩分(醤油など)が和食の基本的な構成要件なので、和食を作る際にみりんはどうしても必要になる調味料である。


料理の本などに、みりんが無い場合は酒+砂糖で代用するなどと書いてあるのだが、確かにそれでも近い味になる。
ただし日本酒とみりんでは製法が違うため、みりん自体が持つ独特の風味は酒+砂糖では出せない。
出せないが、かなり近い味になるので絶対にみりんを使えというわけではなくて、十分代用としての役目は賄える。
なのでみりんの消費量が少ないご家庭の場合は酒+砂糖でも良いと思う。


気をつけなくてはいけないものに「みりん風調味料」というものがある。
これは見た目はそっくりなのだが、アルコール分が入っていない。
そのかわりみりんよりも安い価格で販売されている。
これを買って使うくらいなら、酒+砂糖のほうがおすすめだ。
アルコールが入っていないというのは代用品ではごまかしが効かない。
アルコール分は食材の臭みなどを取ってくれたり柔らかくしてくれたりする効果がある。それらが期待できないので、少しばかり安いと言ってもみりん風調味料はおすすめできない。
もちろんなんらかの事情があってアルコールを微量でも摂取できないというケースにおいては非常にありがたい調味料ではある。



料理酒と日本酒の違い

日本国内では酒類を販売する際に酒税がかかる。
日本酒であれば1.8リットルあたり216円の酒税がかかる。

料理に使うのだから税金は免除してくれといっても同じお酒であり、飲もうと思えば飲めるわけなので、料理用だから税金は免除というわけにはいかない。
ならば普通に飲めなくすればいいじゃないかということで、酒に塩を入れてそのままではとても飲めない味付にすることで酒税を免除してもらうという方法がある。
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>>料理酒一覧
これがスーパーなどの調味料コーナーで売っている「料理酒」だ。
味見をしてみたらわかるのだがかなり塩っぱい。
そのままコップに入れて飲もうという気にはならない味付けになっている。
ただこれによって酒税が免除され、それだけ安く販売されているから使っているご家庭も多いと思う。

ただこの調理酒を使う時は含まれている塩分を常に考慮しなければならなくなり、普通の日本酒を使うより若干味付の難易度が上がる。
そういったこともあり私は料理酒を使っていない。いわゆる普通の日本酒を使っている。そのほうが味付の調整が楽だからだ。
塩味というのは足りない場合は塩を足せばいいだけの話で、逆に塩気がきつい場合のリカバリーは面倒になるケースが多い。
なのでどうせなら飲むこともできる普通の日本酒をおすすめしたい。
煮炊きに使ってしまうのだから高価なものは必要ない。日本酒は一番安いものを買えばいい。

下ごしらえの相棒としての酒

みりんと違って酒は食材の下ごしらえなどの分野でよく使う。

例えば匂いのあるもの。肉や魚などのちょっとした生臭さなどを消しておきたい場合に、調理前に酒に漬け込んだりする。
そういった下ごしらえには様々な味が含まれているみりんは不向きであり、匂い消しに不要なものが入っていない酒の得意分野になる。


匂い消しという方法には大きく分けて3つあり、事前に塩を振り食材内にある匂いを含んだ水分を浸透圧によって排出させる方法と、酒などのアルコールに漬け込みニオイ成分を分解させる方法、そしてセージなどの各種ハーブを用いて食材の匂い以上に強い匂いを被せることでごまかす方法がある。

特に日本食においては臭み消しに酒を使う方法が一般的で、ハーブを用いてしまうと出来上がった味付が和食の枠を飛び出してしまう可能性が高いので適用されるケースはほぼ無い。

例えば豚の角煮などの肉肉しい料理の場合は、豚肉の獣臭さが出てしまうと美味しさが落ちる。
そのため下茹で時にかなり多めの酒とネギの青い部分や生姜などを一緒に入れて匂いを消す。
こういった作業を怠ると特に安い肉の場合、獣臭さが全面に出る可能性もある。

酒とみりんの使い分けのまとめ

甘みと旨味を足したい場合はみりんを使う。
旨味を足したいが甘みは必要のない場合は酒を使う。
匂い消しなどの下ごしらえには酒を用いる。
みりんの代用として酒+砂糖は有り。
みりんには食材を引き締める効果があり、酒には逆に柔らかくさせる効果がある。
煮物に使う場合、煮崩れ防止にはみりん、ホロリと柔らかくしたいなら酒と憶える。
上記の応用で最初に酒を入れて煮込み、仕上がり直前にみりんを入れて照りを出しつつ崩れを防ぐというテクニックもある。