ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

散歩をしながら考える地元の商店街と大型商業施設のこと

小学校の低学年で自転車に乗り、高校時代は原付きを転がして、18歳で自動車の免許を取得したから地元の街を歩いて廻った経験がない。

最近運動不足が気になって散歩をするようになった。
ダイエットも兼ねているのだがその効果はないようだ。なにせカメラを持ってかなりゆっくり歩いているから消費カロリーは低いのだろう。

生まれ育った街なのに歩いてみると存外知らないことが多い。
歩くことで車では気がつかなかった風景が見えてくる。

路傍に咲く名も知らぬ花。ブロック塀の隙間からこちらを覗く犬。ボンネットの上で欠伸をしている猫。干した布団を叩く音。電信柱に貼られている卑猥な広告。


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散歩中に一枚


車では決して気が付かないそんな光景を楽しみながらゆっくりと歩いている。
時折気になったものがあればバッグからデジカメを取り出して撮影する。
まあセンスが無いからいい写真なんかは取れないのだが散歩のたびに何枚か撮る。
いい写真では無いけれど、自分のライフログにはなるのだと思っている。見返すとあの時はこんなものに興味を抱いたのかとしんみりしたりする。

自宅から東西南北とローテーションしながら散歩しているのだがその中でも東と西は商店街だ。
商店街と言っても地方都市のどこもが陥っているように我が地元の商店街もシャッターが目立つようになった。


この記事を読んだ。
商店街を救う余裕はもはや無い。イオンと共生する社会を目指すべきだ - はてな村定点観測所はてなブックマーク - 商店街を救う余裕はもはや無い。イオンと共生する社会を目指すべきだ - はてな村定点観測所

ほぼ同意と言っていい。
少しだけ違うのは「イオン」は決して地元のために事業はしないということだ。
もちろん地元と仲良くするためにそれっぽいことは言うだろう。
しかし彼らはそこで商売が行き詰まれば容赦なく店を畳んで引き上げてしまう。

これは「イオン」だからということではない。
彼らは事業をしているのであってなにも慈善団体ではない。
商売がうまくいくように地元と協力することはあっても、決して地元と「心中」はしてくれない。


地元に大きな商業施設が次々と建っている。
数ヶ月前に鳴り物入りで開店した大型ショッピングモールがある。
そこは元々とてつもなく大きな工場があった場所だが、立ち退いてぽっかりと空いた土地だった。
数年間、空き地として放置されていたがそこにショッピングモールが新設された。
噂話だが自治体が中心地に長年広大な空白地帯があることを危惧して、破格の条件で企業誘致をしたらしい。(繰り返すがあくまで噂話)
駅からも近いし広大な駐車場もある。条件は良い。
開店当初の客入りはかなり良好だったらしいが数ヶ月経ったいま、いい話はまるで聞かない。
中に入っているテナントのオーナーに話を聞いたが、想定の客数の半分も入っていないそうだ。
なるほど確かに駐車場はいつもガラガラだ。


我が地元には素人から見ても飽和状態だろうと感じるほど、郊外型の大型商業施設が乱立している。
すでに大型店同士で喰い合いが始まっている。
ここ数年で何店か潰れると予想している。


郊外型の大型店が潰れるとそこにポッカリと空白地帯が出来てしまう。
別の事業者が入ってくれればいいがそう上手くいかないのが実情だ。

商店街がシャッター通りになっていることが問題視されるようになってかなりの月日が経つが、明確な解決策は見つかっていない。
今後は郊外型の商業施設が撤退したあとのゴーストタウン的な廃墟が各地に出来てしまうのではないかと危惧しているが、それは素人ならではの思い違いであって欲しいと思っている。

なぜ繁栄している商店街は1%しかないのか

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