私はバス歴は長いものの(30年以上)、同じリールを使い続けてきたので最新リールに殆ど触れないままきた。
ようやく去年に17スコーピオンDCを購入してリールの進化に驚いたばかりだった。
それまでは初代のアンタレスとこれもまた初代のメタマグを15年以上使い続けていたし、その前のリールはabuの5000番と2500cだからそれなりにサミング技術はある方だと思う。
そういった昔のリールばかりを扱ってきたので、2019年5月発売のSLX MGLが遠心ブレーキなのにここまでイージーにキャストできるのかと驚いた。
去年購入した17スコーピオンDCがほぼサミングを必要としないで簡単に投げられるのは「DCだから」と思っていたが、昔ながらのアナログである遠心ブレーキがここまで進化しているのかと本当に感嘆させられた。
初代アンタレスは確かにぶっ飛ぶが、その反面ほんの少しのキャストフォームの乱れや風の変化などでバックラッシュが発生する紙一重なピーキーな面が玄人好みで好きではあったが、あまりにギリギリにセッティングしてしまうと、釣りに来てるのかキャスティングをしに来ているのかわからなくなることもあった。
SLX MGLはキャスティングの楽しみを残したまま、高度なサミング技術を持った上級者だけではなくベイト初心者を含めた万人向けであり、それでいて軽量ルアーから重量級までぶっ飛ぶという恐ろしい性能を持ったリールである。
ここから下は基本的に17スコーピオンDCとの比較と考えていただけたらよい。
実釣におけるブレーキ評価
初めて使うリールはブレーキがどこまで効くのか、それがわからないので探り探りになるのだが、この新しいリールにはSVS∞が採用されているので、昔のSVSのようにいちいちパーミングカップを開けてブレーキブロックを調整する必要はなく、外部ダイヤルをいじってやるだけで十分調整が効くのは本当に楽だ。
とりあえずこの日に使ったのは1/4oz~1/2ozのハードルアーと、3/16ozのスイミングジグそれと1/4ozのスピナーベイト。
これらを投げるのに使ったブレーキセッティングは内部ブレーキが2個オン、外部ブレーキは4~1の幅で全て快適に投げることができた。
ほぼ無風。ラインは12ポンドをスプール端から1mm空けるという説明書通りの糸巻き量。使ったロッドは7フィートのMH。
まず1/2ozのPOPMaxを投げたのだが、これはブレーキ設定内部2外2で恐ろしいくらい飛ぶ。
この日はほぼ無風状態でリールのキャストフィールを確認するには最適な日だったが、それにしても気持ちがいいくらいに飛んでくれるので楽しくなる。
飛距離を正確に計測する術がないので難しいのだが、17スコーピオンDCのブレーキ設定2より遥かに飛ぶ。17スコDCの場合はブレーキの2と1の差が大きくて2ならほぼノーサミングだが、1だと器用にサミングを入れないとバックラッシュするピーキーさがある。
1で上手いことサミングが決まればスコDCでもぶっ飛ぶが流石に歩留まりが悪い。
3投に1回くらいの確率でラインが浮いてしまうと釣りに集中できないし、そもそも着水と同時のバイトに対応できなくなる。
なので結局飛距離を我慢してブレーキを2にするのだが当然飛距離はがくんと落ちる。
これがSLX MGLだとそうはならない。
DCのブレーキはカチカチッと数字ごとに切り替わるが、SVS∞は事実上無段階で調整できる。
表記上数字は1~6と振ってあるものの、ダイヤルはアナログなので1と2の間、要は1.5くらいの位置にブレーキ設定できるし、もっとギリギリまで詰めていくと1.8とか1.3とかそんな微妙なセッティングも可能なので、本当に細かな微調整が効くようになっている。
ポッパー
POPMaxの飛距離を最大にするには内2外1.5くらいがベストでこれだとある程度安全マージンを取りながらも超ロングキャストが可能になる。確かに外1でも投げれるがこの場合、初代アンタレス並みのサミング技術が必要になるが更に飛距離が出る。
飛距離合戦をするならそれで良いかもしれないが実釣の場合は外1.5くらいが程よい緊張感と飛距離のバランスが取れていてちょうどよかった。
バックラを完璧に回避したいなら外2がおすすめ。
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クランクベイト
7.8gのグリフォンゼロを投げるときのセッティングは内2外4。これでも十分安全マージンを取りながら気持ちのいい飛距離が出る。
もう少し飛距離を出したいならサミング難度は上がるが外3くらいまではいける。
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スイミングジグ
3/16ozのスイミングジグは内2外2.5。トレーラーにケイテック スイングインパクトファット 3.8inchがついているので全体の重量としては17~18g。ハードルアーに比べると当たり前だが重心移動もついていないしワームのテールが空気抵抗になっているので重量の割には飛ばないがそれでもぶっ飛ぶ。
飛距離優先なら外2。そのかわり糸浮きをさせないためにキャスト終盤に適度なサミングは必要になる。
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スピナーベイト
1/4ozのスピナーベイト。内2外4。スピナベは飛行姿勢が安定しないので、ギリギリのセッティングにしているとバックラ確率が高いルアーである。それでも外ブレーキを4にすればかなりブレーキが効くのでまずバックラしない。飛距離重視であれば外3でもいけるが飛行姿勢が乱れると一発で糸浮きが発生するのでおすすめは外4。特に向かい風が吹いたらスピナベは難しい。その場合はブレーキをもう1段上げればおそらく大丈夫。
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総合評価
こちらの開封レビューで巻き心地は普通と書いた。
下記の記事は実釣する前に書いた記事である。
dobonkai.hatenablog.com
実釣に使ってみると巻心地は良好。むしろこの価格帯のリールとしては非常に滑らかで17スコDCとたいして変わらない。マイクロモジュール搭載機も触ったことがあるがそれは確かにシルキーだし高級感のある巻心地ではある。しかし実釣に置いてはそこまで優位性を感じないしそもそもマイクロモジュール非搭載機でも昔のリールに比べたら別次元の巻心地なのでこれで十分という感想。
ボディ剛性も申し分なくて安いリール特有のやわな感じであるとかプラスティッキー感はまるで無い。
ボデイそのものがコンパクトなのでスリーフィンガーでパーミングすると手の中にすっぽり収まる形になって長時間のリーリングでも負担感は軽い。サムバーレストの位置も丁度よい。
キャストフィールだがもう最高の一言。
32mmMGLスプールのおかげだと思うが、軽めのルアーでも立ち上がりが早く後半の伸びもある。重めのルアーであればなおのことだ。
32mmスプールということで重めのルアーは苦手なのかと予想していたがそんなことはなくて序盤中盤終盤のいずれも気持ちのいいブレーキの効き方でキャストが楽しい。
そしてなによりSVS∞のシステムが優秀でセッティングの幅が広い。
内ブレーキの数だけ決めてしまえばあとは手軽な外部ブレーキのダイヤルを回すだけで調整できる。
今回も内部のブレーキは2にしてそれ以降は一切変更していない。(実験的に内1にしてみたが流石にピーキー過ぎて使いづらかった)ルアー交換をしても、外部ダイヤルだけでアジャストできるのでとにかく簡単で便利。
しかもブレーキ性能そのものが優秀なので、キャストが上手く決まらないような初心者や風の強い日などもブレーキを1~3段ほど強くすればガツッとブレーキが効く。もちろん飛距離は犠牲になるがバックラッシュのストレスからは解放されるしなにより釣りに集中できる。
逆に安全マージンを取っ払って飛距離最優先のギリギリセッティングもできる。
僅かなミスでバックラするような限界ギリギリのセッティングも可能で、それこそきちんと詰めれば現行アンタレス並に飛ばすことも可能だろうと思う。
15000円前後で購入できるリールなのにここまでポテンシャルが高いと正直もう全部これでいいじゃんとすら思う。
特に初心者~中級者でこれからベイトリールでいろいろやってみたいなと思う方には超おすすめのリールです。
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