ネットの海の渚にて

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禁煙してから満3年経過したので今思うことなど

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2014年の3月31日に最後の1本を吸って禁煙を始めたのでちょうど満3年ということになる。

20年以上毎日30本(1箱半)程度吸っていたのに、禁煙を決めて以降ただの1本も吸っていないのだから我ながらよくやったと褒めてあげてもいいかなと思っている。

過去にもこのブログで禁煙について記事にしてきたけれど、今回は改めてなぜ禁煙したのかというところと、タバコをやめて何が良かったかというところを書いていこうと思う。
過去の禁煙記事一覧

20年も吸っていてなぜ禁煙したのか?

元々やめようかなと言うのはいつもどこかで考えていて、そのきっかけになったのはタバコの値上げだった。
友人などに「一箱1000円を超えたらやめるわ」みたいなことを言っていたわけだが、結局400円中盤になるタイミングでやめたということになる。

実際はいつ禁煙を始めるかという状態だったので、確かに値上げがきっかけではあるものの、限界ギリギリまで入ったコップの水の溢れ出す一滴が、たまたま値上げだったというだけである。
つまり値上げじゃなくても他に決心するようなきっかけがあれば何でも良かったわけだ。


禁煙しなくちゃなぁという思いは30代になった頃からで、世間的に喫煙者には風当たりの厳しい環境になっていたというのがある。
例えば今までは事務所内に灰皿があったのだが、分煙が厳しく設定されたことでわざわざ階下に降りて半野外のような場所に設置された喫煙所で喫煙者同士が所在なさげに肩を寄せ合いながらタバコを吸うという状況になっていた。


事務所から出て喫煙所に行くだけで片道5分はかかるわけで、たった1本のタバコを吸うために、喫煙5分移動が往復で10分、合計で15分席を外すという後ろめたさが禁煙を考え始めたきっかけだろうと思う。
この状態だと流石に頻繁に吸いに行くのは厳しい。一日一回か多くても二回喫煙所に行く位の頻度になっていた。

もちろん健康に悪いとか、衣服に匂いがつくとか、車の査定額が下がるなど、他にも細々要因はあるのだが、やはり会社内の喫煙者への冷たい視線が気になりだしたというのが一番強い動機であるのは間違いない。

ただし、同僚の大半や直接の上司も喫煙者だったこともあり、実際に禁煙を実施するのはそこから数年先ということになる。
喫煙者同士は、はっきりとは言わないけれど迫害されている仲間という意識があって、抜け駆けして禁煙を宣言する者は裏切りである的な空気があったのも事実で、それが禁煙を遅らせる原因になったというのもまた事実としてある。



タバコをやめて良かったこと

禁煙を勧める本やサイトを見ると、タバコをやめたら人生が素晴らしいものになるみたいな、誇大広告的な煽り文句があったりするが、断言してもいいが禁煙したからといっても劇的に生活が変わるなんてことは無い。

例えば「タバコを1本吸うためにあなたは3分無駄にしている。一日20本なら毎日1時間を捨てている」みたいなことが書いてある。
私の場合は一日に30本吸っていたので、その計算式に入れてみると一日あたり90分タバコに費やしていた事になる。
禁煙できればその90分を有意義に使えるということなのだが、実際に禁煙に成功してみても一日に使える時間が90分増えた感覚は全く無い。

そのからくりは単純だ。
タバコを吸っていた頃は、その殆どが「ながらタバコ」だったからだ。
タバコのために手を止めて作業をストップさせていたわけでは無いので、禁煙したからと言っても埋蔵金は出てこない。

喫煙時代の自分を思い返してみると、分煙が厳しくなる前の事務所で吸っていたタバコの量は多くても一日5本くらいなので、仕事から手を離していた時間は合計で15分程度。

それ以外は移動中の車内や、昼休憩の食事後だったりで、一番吸っているのは帰宅後の自室でテレビやゲームをしているときだから、禁煙したからと言ってもやっぱり有効活用できるくらいのまとまった時間が出現することはない。


「タバコをやめると頭が冴える」
これも全く体感できなかった。
タバコを吸っていたときもやめたあとも、事実として私の生産性は変わっていない。
同じような感じで「集中力が上がる」とか「イライラが無くなる」とか書いてあったりするが、タバコをやめたくらいで解脱したような悟りの境地にたどり着けるわけがない。
禁煙に夢を見すぎである。

じゃあ禁煙してよかったことは何も無いのかというとそんなことは無い。
いつもタバコをつまんでいた左手の爪がヤニで黄色くならなくなったし、ランチのお店を選ぶ際に全面禁煙のお店も候補に入るようになった。
他には服に匂いがつかなくなったし、部屋のものが汚れなくなり掃除が楽になった。

まあそんなもんである。
禁煙する前は少なくともタバコをやめた分のお金が浮くはずだと期待したわけだが、それもなんだかよくわからないうちに霧散しているらしく、毎月1万円貯金が増えるわけでも無かった。

禁煙を成功させて正直な感想としては、喫煙してた頃とそんなに大きくは変わらないということだ。

禁煙は苦しい。
だからその先に素晴らしいことが待っていて欲しい気持ちはよく分かる。
だからといって馬を人参で釣るように、過剰に宣伝するのもおかしいと思う。


ではトータルとして禁煙してよかったかと問われたら良かったと即答する。
過剰に煽る禁煙本のような劇的な効果は無いけれど、やはりこの時代タバコを吸い続けるのはいろいろな場面で不利益を被ることが多い。

タバコを吸っているよりも吸っていないほうが有利な場面がいくらでもある。
言ってみればデメリットしか無いものを吸い続けるには、それだけタバコにリソースを回さなければならなくなる。
無駄を削ぎ落とすことが美徳とされるこの世知辛い時代に、無駄の極致にあるようなタバコにリソースを回せる余裕のある者がどれだけいるのか。

もう少し牧歌的だった昭和の時代ならタバコは問題なかった。
けれど時代は変わって今やタバコは迫害されるようになった。

ネットをみれば喫煙者はいくらでも叩いていい対象のような扱いを受けているし、今後はもっと厳しい目にさらされる様になるのは確実だ。

タバコを吸うということはハンデを背負うということと同義になりつつあるので、喫煙者の皆様には禁煙の検討を早めにおすすめしたい。

それと「禁煙は一生続く」というのは流石に言い過ぎだろと思っていたがその煽り文句は本当である。
禁煙してから3年で1本たりとも吸っていないが、未だに無性に吸いたくなる瞬間はあるし、夢の中でプカプカ吸うシーンをよく見る。
私の脳みそが今もニコチンを欲しているのは明らかだ。
おそらくこれは一生続くものだと覚悟している。