ネットの海の渚にて

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プロレス総選挙を見ていて疑問に思ったので自分なりのランキングを作ってみた

WBCの日本×オランダ戦が混戦を極めて約5時間という長時間試合となったせいで、その後に放送が予定されていた「プロレス総選挙」が押しに押されて、日付が変わった0時15分ころからようやく放送が始まった。
本来の放送予定は午後9時からのゴールデンタイムだったわけで、久方ぶりのプロレス番組がゴールデン進出という期待があったのは確かだ。
それが結果として深夜放送と呼ばれる枠で放送されたわけだが、今までさんざん虐げられてきた我らプロレスファンはこれくらいのことではへこたれないのである。


それよりも発表されたランキングに文句が言いたい。
昨夜は放送を見ながらTwitterでブツブツ呟いていたのだが、やっぱりそれだけでは足りない。
プロレス総選挙に一言物申させていただくことにした。

現役・OBレスラー200人&ファン1万人がガチで投票!プロレス総選挙
番組概要
史上初!ファンとプロレスラーによる国民投票!本当にすごいプロレスラーNo.1が決定!オカダ・カズチカが!長州力が!アントニオ猪木が!豪華プロレスの祭典が幕を開ける!

◇番組内容
■現役&OBレスラー200人とプロレスファン1万人に「あなたがスゴイと思うプロレスラーは誰?」というアンケートを実施し、ランキングを作成!
■発表会場には特設リングを設置!ファンやプロレス好き豪華ゲストが熱い視線を送る中、ランクインしたレスラーたちが次々と花道に登場!
http://www.tv-asahi.co.jp/pr/sphone/20170312_11293.html

上記は朝日テレビの公式ページからの引用なのだが、説明をそのまま読むと「凄いプロレスラーは誰か?」というアンケートを取りその結果が放送されるということなのだろうと思う。
選手の選出について細かい条件付けなどが無いように読み取れるので、団体や活躍時期、国籍等は無関係に、まさにオールタイム・ベストで選出するという番組なのだと私は理解していた。

しかし番組が進むに連れ、徐々に発表されるランキングを眺めながら疑問に感じることが多くなってきた。
「このランキングやっぱりおかしくね?」ということである。



ランキング結果
1位: アントニオ猪木
2位: ジャイアント馬場
3位: 初代タイガーマスク
4位: オカダ・カズチカ
5位: 力道山
6位: 棚橋弘至
7位: ジャンボ鶴田
8位: 獣神・サンダー・ライガー
9位: 三沢光晴
10位: スタン・ハンセン
11位: 長州力
12位: 武藤敬司
13位: 小橋建太
14位: 天龍源一郎
15位: ケニー・オメガ
16位: 橋本真也
17位: 蝶野正洋
18位: ハルク・ホーガン
19位: 真壁刀義
20位: アンドレ・ザ・ジャイアント


1位~3位は納得の結果。
とりあえずの問題は4位に入ったオカダカズチカだろうと思う。
彼は現在の新日本プロレスの看板であり押しも押されぬ大スターであることは間違いない。
プロレス団体の隆盛は一にも二にも「金が稼げるか」ということに尽きるということは、往年のプロレスファンであれば痛いほど熟知している事実である。
多くのプロレス団体は現実問題として資金不足によって空中分解するのであって、もっと言ってしまえば潤沢に金が稼げる団体であれば選手層も充実するし結果として面白い試合が見られることになりプロレスが盛り上がるという好循環になる。
いくらプロレスラーといっても夢や理想だけでは飯は食えないのである。


1990年台から始まる総合格闘技ブームが徐々に拡大し、2000年台にはいつの間にか立場は逆転してプロレスは完全に冬の時代になる。
この時も金の問題で様々な団体が潰れリングを失った浪人レスラーが大量に出現してしまうなど、本当に深刻な状態になっていた。
この時の苦い記憶はプロレス関係者だけではなくて、プロレスファンも身に染みて理解したわけで、やはり金を稼げるレスラーは大切にしなければいけないという認識は広く伝わったと思う。

4位に入選したオカダカズチカは新日に金の雨を降らせる「レインメーカー」であるから、このランキングに入ること自体は問題ない。
若い世代のプロレスファンからしたら彼こそが「自分たちのスーパーヒーロー」でもある。
それは全く否定するつもりはない。
オカダカズチカの繰り出す異次元のドロップキックなどは新日の看板に相応しいし、昭和の時代の野暮ったいレスラーとは一線を画したモデルのようなスタイルとイケメンであるというのはものすごい武器になる。

実際に「プ女子」と呼ばれる女性ファンを会場に呼び込んだのはオカダカズチカであり、プロレスの間口を広げるという役割も担っているわけで、冬の時代を経験したプロレスファンこそ彼を応援したいという気持ちもあるだろうと思う。

事実、私も彼が現在のプロレスを引っ張っている原動力だと認めているし、今後さらに成長していくことを期待している。

但し、オールタイムベストで選ぶとなった場合、過去のレジェンドを差し置いて彼を4位に入れると言うのは流石に無理がある。
同じような理由で6位の棚橋弘至もやはり順位が高すぎる気がする。

棚橋は2000年以降のプロレス冬の時代を支えた最大の功労者であるのは間違いないわけで、2016年に過去最高益を出した新日と今をときめくオカダカズチカが活躍できるのは、プロレスの火を消さずに頑張ってくれた棚橋のおかげであると言ってもいい。

プロレス業界に対する「貢献度」という意味では棚橋のそれは凄まじいものがあると思うが、純粋にプロレスラーとして評価すると、やはりレジェンド達を抑えて6位に入るのは評価基準がよくわからなくなる。


あと気になるのは15位のケニーオメガと19位の真壁刀義。
もちろんこの2人は現役バリバリの素晴らしいレスラーであるけれど、20人しか入れないオールタイムベストのランキングに名を連ねるのは疑問がある。

例えば、このランキングに入っていない前田日明や藤波辰爾は彼らより「凄いプロレスラー」では無かったのだろうかという疑問が湧く。



私の選ぶ「すごいプロレスラー」ランキング

1位: アントニオ猪木
2位: ジャイアント馬場
3位: 初代タイガーマスク
4位: 力道山
5位: ジャンボ鶴田
6位: 長州力
7位: 天龍源一郎
8位: 藤波辰爾
9位: 前田日明
10位: 三沢光晴
11位: 武藤敬司
12位: 橋本真也
13位: 蝶野正洋
14位: オカダカズチカ
15位: 棚橋弘至
16位: 大仁田厚
17位: マサ斉藤
18位: ザ・グレート・カブキ
19位: 中邑真輔
20位: 内藤哲也

とりあえず自分なりに「凄いプロレスラー」ランキングを作ってみた。
見ていただければわかると思うが外国人選手が入っていない。
そもそも外国人選手まで含めてオールタイムベストを決めたら半数は入ってこないとおかしい。
プロレスにおける外国人選手はプロ野球における助っ人外国人と言うようなポジションでなく、間違いなくもう一つの華であり主力選手である。
日本人選手以上に魅力的な選手が山のようにいる。
それを一緒にわずか20人のランキングに入れようというのがそもそもの間違いだと思っているので入れていない。

日本人選手に限らせてもらったがそれでも20人に絞るのは大変心苦しい。
せめて2000年以前と以降に活躍した選手で分けるべきだと思うが僭越ながら選ばせていただいた。

ラッシャー木村、藤原喜明、ケンドーカシン、 佐々木健介、大谷晋二郎、冬木弘道、外道、天山広吉、越中詩郎、鈴木みのる、などなど……。
ランキングには入れなかったが上記以外にいくらでも名選手の名前を挙げることができるくらいプロレスと言うのは楽しく奥深いものなのだ。
皆さんも自分なりの「すごいレスラー」ランキングを作っていただきたい。