ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

ブログを書くって難しいねって話

ブログの書き手は読者に対して誠実でなくてはならない。
ごもっともで反論の余地は無い。
嘘や偽りを意図的に記事内に散りばめて読者を騙そうとするようなブログはしかるべき処分にあって欲しいとさえ思う。
文章を書くというのはブログに限らず書物でも町内会の回覧板でさえも同じだ。
読む人がいる文章は読み手を想定して書かなければならない。

極端な例を出すと日本語で書かれた文章は読み手が日本語を理解できる前提で書いている。
当たり前だが事実だ。

専門用語が羅列されている専門書はその読者を専門家に想定しているからだ。門外漢の人間が読んでもちんぷんかんぷんで面白いわけがない。
同じように児童書は平易な文で漢字も想定している年齢層に合わせて使われている。
幼児が読む絵本なんかでは全てがひらがなというケースもある。
読者を想定して文章を書くというのはそういうことだ。




先日この記事を書いた。
ネットリテラシーがあまりにも低いとさすがに危ないよって話 - ネットの海の渚にて

それに対しての反論はリテラシーの低い層は確実にいるのだから書き手はそこまで想定して書くべきだということだった。
もちろんそのとおりだ。

ただしブログにおいてどの層に向けた想定で書けばいいのかは非常に難しい。
前述の記事だってそうだ。
ネットリテラシーという言葉が冒頭で出てくるがこの単語の意味を解さない層は切り捨てた記事になっている。
ネットリテラシーという単語が理解できない層はおそらくそれを検索して意味を調べるなどの行為はしないだろう。
本来その記事はそういった層に向けた記事であるにもかかわらずだ。
俺自信読みなおして気づいたが残念ながらそういった記事になってしまっている。

読み手の想定は難しい。
ブログだから下は小学生から上は定年後のご老人まで読者になる可能性はある。
ネットのいろはを理解しないままネットに接続している層もいるし、酸いも甘いも嗅ぎ分けた古参のネット住民もいる。

俺が好んで巡回しているブログには平易な文章で日常を綴る日記もあるし、聞いたこともない単語がバンバン飛び出すアバンギャルドなブログもある。
豊富過ぎる語彙を用いるので俺の脳内辞書に乗っていない単語にビビったりする。


さてブログで読者を想定するというのは具体的に何を示すのか。
嘘をつかない誠実さはそれとは違う倫理観の話だ。

記事の中に皮肉を書く。
あえて迂遠な表現を使うから皮肉になるのだがそれに気が付かなければ読者の頭にクエスチョンマークが点灯するだけだ。
風刺を書く。
これも読者が読み取ってくれなければ只の悪口や嘘に終わる。

ブログの記事に対して批判は必ずある。
それは書き手が想定していない読者の場合が多い。

またも極端な例を書く。
反論コメントが「難しい漢字使いすぎて読めない。こんなクソブログやめちまえ」
こんなコメントがあったとする。
記事を読んでみると別段難しい漢字は使われていない。当然そうなるとコメントを書いた者に対して「お前の頭が悪いんじゃ。小学校に戻って勉強せい」と反論したくなるはずだ。
小学校で習うはずの漢字を読めない層を前提としてブログを書くとしたら全部ひらがなで書くことになる。

難しい漢字。難しい表現。これらの閾値は個人によって違う。
全ての人に等しく理解できる文章を書くことは不可能だ。
そうなるとさじ加減はブログの書き手にまかされることになる。

当該記事が元々騙すつもりで書かれたものなのかは分からないが少なくとも俺はニュースの体裁を模した「ネタ」であると理解した。
就活自殺、内定のため命まで投げ出す大学生 - 就活ニュース:デジタル版←当該記事

だから悪質さも感じなかった。(面白くもなかったが)
ところがブコメで悪質な釣りであると糾弾されていたから驚いた。
釣りにもなっていない記事だと思っていたからだ。
だから前述の記事を書いた。
あのレベルで騙されてしまう層に対して警鐘を鳴らしたかったからだ。

騙された人を揶揄するつもりは一切ない。
俺だってネット黎明期にエロ関係で痛い目にあったこともある。
当時はまだダイアルアップ接続で特にエロ関係は詐欺だらけだった。
すぐにQ2や国際電話回線に接続させようとするトラップがそこかしこに埋設されていた。
そういった地雷を巧みにかわす技術を学んだものだ。
エロは偉大なり。


誰だって最初は初心者だ。
ネットには悪意がゴロゴロ転がっている。
そういったものに騙されながらリテラシーを育むものだと思う。
悪意のサイトを糾弾するのは正しい。だが同時に自分のリテラシーも磨いていかないといつの日かもっと酷い目に遭うかもしれない。

ネットに安全を求めるのは正しいしとても結構なことだ。
ネットリテラシーなんか全くなくても楽しめる安全なインターネットが実現すればとても素晴らしい。
しかし残念ながら悪質なサイトは無くならないし今後も騙されるであろう若年層が次々にネットへ供給されていく。
過保護にしすぎても子供は丈夫に育たない。

ブログに対して読者を想定して記事を書けという要求はごもっともだが限界があることも理解していただきたい。

もちろん俺は今までもこれからも釣りや嘘の記事は書かないし書くつもりもない。
このブログはある一定以上の読解力を持った読者を想定して記事を書いている。
今後、皮肉や迂遠な表現を使った風刺なんかも書くかもしれないがそれが全年齢の読者に伝わらなかっとしても責任は取れないし反論も受け付けない。(なんちゃって)

でも出来る限りわかりやすく書くのでまた読んでね♡

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