ネットの海の渚にて

私の好きなものを紹介したり日々のあれやこれやを書いたりします

個人ブログの嘘はどこまで許されるのかなって話

痴漢冤罪で社会から抹殺されかけた。 - 自省log
自省logさん(id:juverk)のこの記事を読んだ。

簡単に説明すると自分の背後にいた男が真犯人であるのに被害女性の真後ろにいたばかりに疑われてあわや痴漢冤罪被害に……。
という内容だ。

この記事を書いている段階でブックマークは350を越えている。
自省logさんはホッテントリーの常連で今回の記事だけが特別バズったわけじゃない。
毎回、秀逸なネタとオチを読者に提供してくれる面白いブログだ。
いつも楽しく読ませていただいている。



この記事に付いたブクマのコメントにちょっと気になるものがあった。

この人「偶然すごい状況に巻き込まれて」「それを図解して」「ホットエントリ」ってパターンが妙に多いよねぇ。痴漢冤罪は防がれるべきだし、それを語るのもいいけど、まずこういう報告が本当か疑ったほうがいい案件

このブログだからどうせ作り話なんだろって思ってしまう。この人の周り、ネタになるような出来事が毎日起こってるんだね。すごい偶然だね

車内に阿鼻叫喚の声 等、他にもいくつか描写に不自然な点があることから、マーケット目的のフィクションだとは思うが、冤罪が起こりやすい状況下で犯行に及ぶという点についてはなるほどあり得るかもって思った。

過去のホッテントリ見る限り、これは創作っぽいなあ。頻繁にレアな事件に遭遇しすぎ。

この記事が実際にあった体験なのかそれとも創作なのか?
そういう意見が書き込まれている。

ブログにはどこまで真実を書くものなのか

この命題について考えてみたい。

個人がやっているブログと言うのは暗黙の了解として書き手の「実体験」が元になっている。
あくまで暗黙の了解だ。

元々がウェブ上の日記なのだから個人的経験だったり個人的考察が前提になっている。
ところが現在、ブログはありとあらゆる階層の人たちが書くようになって表現の幅も多様化している。

時事ネタを扱うブログもあれば愛国的な内容を日々叫ぶブログもある。
そういった様々な種類があるブログ界において「おもしろ」枠というのもある。

はてなで言えば冒頭で紹介した自省logさんやhttp://delete-all.hatenablog.com/のフミコフミオ(id:Delete_All)さんなんかが有名だろう。


面白ネタを扱うブログなのだから必ずしも真実の体験である必要はないと思っている。
日々の生活の中でちょっとした「種」を発見してそれを膨らませて記事にする。
これは文才とユーモアを持ち合わせていなければ出来ない芸当だ。
だから評価される。
いまさらこんなことをわざわざ書かなくたって聡明な読者の皆さんがわかっていることも承知している。


ではなぜ自省logさんの記事にこのようなブコメが書き込まれたのか?
しばらく前に虚構新聞を中心に論争が巻き起こった。
いわゆる「デマサイト」の是非についてだ。

ブログは「実体験」が暗黙の了解になっていると書いたがそれを盲目的に信じて騙されてしまう層が存在する。
ブログにおいて、この記事は「創作」であると明示しないのは不親切で、もっと言えば「デマ」をまき散らす害悪ではないかという論争だったと記憶している。(間違ってたらゴメン)


今回の自省logさんの記事に付いたブコメはまさにこれを危惧して書き込まれたのだろうと思う。
痴漢冤罪というセンシティブな内容を扱ったが故のマジレスだったと理解している。

f:id:dobonkai:20140310131013j:plain
http://www.pakutaso.com/20140300066post-3913.html

さて、ならば個人がやっているブログはどこまで真実を書くべきなのか。
私のブログにも実体験を元にしたエントリーがいくつもある。
"昔の話" - 記事一覧 - ネットの海の渚にて
"DQNシリーズ" - 記事一覧 - ネットの海の渚にて


これらは確かに体験したことだが全て真実かと言われると困る。
当然だが脚色もしているし、なにより身バレを防ぐために改ざんしている部分もある。
その匙加減は筆者に任されるものだと思うがどこまでの割合まで嘘を混ぜてもいいものなのかはいつも悩まされている。
自分の場合は大体2割くらいの嘘を混ぜている。
これが適正なのかどうかは分からない。
そもそもブログを書くための名前だってハンドルネームなのだから全て虚構と言えなくもない。


私はブログを書いているがそれ以上に読むのが好きだ。
ありとあらゆる人たちが日夜記事を書いている。
実際の人生で交錯することなど無いような人たちの考えていることや悩んでいることなんかを読めるというのは非常に貴重な体験だと感じている。


実名がバレてしまうと実生活に影響が出てしまうほどの内容を書いているブログと言うのはやっぱり面白い。
某コンビニ店長が身バレというトラブルでブログを閉じてしまったのは記憶に新しいが私だって身バレしたら同じことをしなければならなくなると思う。


身バレを防ぐために混ぜる嘘と自省logさんの今回の記事とは多少ベクトルは違うけれど、ブログに書いても読者に許される虚構の割合ってのは一体どれくらいなのかなってのはとても興味がある。

できれば他のブロガーさんや読者の皆さんの意見を聞きたい。

嘘の見抜き方 (新潮新書)

嘘の見抜き方 (新潮新書)

セックスと嘘とビデオテープ スペシャル・エディション [DVD]

セックスと嘘とビデオテープ スペシャル・エディション [DVD]